第21章 幸せになってはいけない

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頂点に達して終わった上林くんと交替し、今度は高松くんがぐい、と入ってくる。さっきの余韻でまだひくつくそこを貪るように動かれてたまらなく身を捩り、喘ぐ。すかさず上の方に回った神野くんがわたしを独占するかのように頭を抱きしめ、頬をすり寄せた。高松くんにされる快感に身体を任せながらもどこか忠誠を誓うかのように、わたしも思わず神野くんの顔を引き寄せて自分の向きを変え、頬にキスする。 「あぁっ、まな、…まな。中、いいよ…」 「…眞名実。…ああ…」 わたしにしがみつき、身をわななかせる高松くんと感に堪えないように切なく名を呼んで頭をぎゅう、と抱きしめ唇の端を掠めるように何度もキスする神野くん。今日はみんな誰一人、淫乱とかど助平とか言ってわたしをからかわない。恥ずかしい姿勢を取らせて羞恥に身悶えさせたり、気が遠くなるほど焦らされて一人でびくびくいかされたりとかもなし。最初から最後まですごく優しくされた。 どS気味に責め立てられなくてもこれで充分気持ちいい。ってことはわかった。最後の神野くんが待ちかねたように入ってきて、奥を味わうようにうっとりと腰を遣ってる動きに即いきそうになりながら、何とか自分を抑えつつぶるぶる震えて思う。…だけど。 こんな風に。みんなにいいものみたいに扱われて大切に抱きしめられるような価値なんか。わたしには全然、ないのに。     
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