王道なのに蚊帳の外

5/31
前へ
/125ページ
次へ
「黒木様、どちらへ?」 「あー、俺、会長探してんだけど…そうだ、キミ会長の親衛隊所属でしょ?会長どこに居んのか知らない?」 「あ、覚えててくださってるんですね…会長なら食堂にいらっしゃいます。あの毛玉と一緒に…チッ」 ちょっ!?最後のほうすげえ声がドス効いてたよ!? 怖えよ!チワワちゃんならもっと可愛い声だそう!? 「食堂ね。場所教えてくれてありがと」 食堂か…王道だな! 場所もわかり、食堂へ向かおうとすると、チワワちゃんに呼び止められた。 「あの…黒木様、失礼ですがちゃんと休まれてますか…?最近働き詰めのような気がしますけど…」 「え?ああー、大丈夫大丈夫、心配してくれてありがとね、俺なんかのことで」 「俺なんか、なんて…黒木様も立派な生徒会役員の一人ですよ」 「そう言ってくれると嬉しいよ、ありがと」 「うう…」 会長の親衛隊なのに俺のことまで心配してくれるチワワちゃんが愛おしくなり、俺は笑いながら頭を撫でた。 すると顔を真っ赤にしたチワワちゃんは俺から顔を逸らしてしまった。 やば、俺みたいな平凡な奴が頭撫でたからキモくて怒っちゃったかな!? 「あ…ごめん、頭撫でるなんてキモいよな…それじゃ」 「(無自覚!)お気をつけて…(色んな意味で)」 食堂に着き、俺はドアを開けた。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

143人が本棚に入れています
本棚に追加