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20.わたしのイクメンブログ
その日、しばらく沈黙を保っていた炎上中の「源五郎のイクメンブログ」に、久しぶりの投稿があった。
“このたびは、これまでの私のブログで虚偽の記載がありましたことを皆様に正式にご報告すると共に、私のブログ記事を通じて、多くの方々に多大なるご迷惑をお掛けしましたことに、深くお詫びを申し上げます。”
そこから始まる文章は、伊庭さんが原稿を考え、修正したい点があれば教えてくれと事前に私に見せてきたものだ。私はどこも修正せず、二つ返事でOKを出した。
“このブログは、「もし女性が男性のふりをして毎日の育児の様子をブログにつづったら、それは素晴らしいイクメンのように見えるのではないだろうか?」という、私のふとした思いつきから始めたものでした。
最初は軽い冗談のつもりでしたが予想を超える反響を頂いてしまい、性別で嘘をついていると言い出せなくなってしまい、こうして今まで皆様を騙してしまう結果となってしまいました。そして多くの方々にご迷惑をお掛けし、傷つけてしまう結果となった事は私の責任であり、本当にお詫びの言葉もございません。
特に、「日本滅びろ」と題された私の投稿は、現在の日本の育児を取り巻く厳しい空気を現わすものとして、国会でも取り上げて頂くなど過分の扱いを頂いてしまい、そこから始まった様々な有益な議論をこのような形で汚してしまった事については、大変責任を感じております。
ただ、確かに私は女を男と偽り、事実ではない記事で皆様にご迷惑をお掛けいたしましたが、ここに書かれている性別以外の内容は、全て私が自分の生活で体験したまぎれもない事実であり、二人の子供の育児に対して、社会の息苦しさと厳しさを感じながら日々悪戦苦闘していることは間違いありません。
皆様にご迷惑をお掛けした私が、このようなことを申し上げられる立場ではないことは重々承知しております。ですが、私の記事を通じて生まれた議論が、世の中の子育て中のお父さん、お母さん方が抱える悩みや問題を解決する事に、少しでも生かされることを願ってやみません。
当ブログにつきましては、中身を「源八郎のイクメンブログ」と改め、これからは決して嘘をつくことなく、我が子とのささやかな毎日を書き記していきたいと考えております。
今後とも何卒ご愛顧賜りたく、宜しくお願い申し上げます。
源五郎改め源八郎 拝“
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