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18.正体
源五郎の正体が女性だとバレてしまったことで、一番赤っ恥をかいたのはたぶんあの野党の女性国会議員だろう。源五郎の「日本滅びろ」を国会で採り上げて鋭い口調で総理大臣を責め立てていたあの人だ。
それ以外にも、源五郎をイクメンの鑑だと持ち上げて、これからの男性はこうでなきゃいけない、彼がこれからの日本のあるべき男性の姿だ、と絶賛し紹介して回っていた人たちにとっても、突然頭から冷や水をぶっかけられる結果となった。
そして、過去に何か女性関係でひどい目にでも遭わされたのか知らないけど、なぜか世界中の女性を目の敵にして、男女逆差別だの何だのとネチネチと絡んでくる変な男性たちはこれで一気に勢いづいて「これだからクソフェミは信用ならない」だの何だのと言いながら、仲間同士でエッサホイサと楽しそうに盛り上がっている。
男女が平等に助け合って生きる世界の実現に向けて、真剣に考えて本気で取り組んでいる方々を、私の嘘で混乱させ恥をかかせてしまったことは、本当に申し訳ないと思っている。
いちおう言い訳をするなら、私は別に何もしておらず、周囲の人たちが私の文章を勝手に拾い上げて勝手に大騒ぎを始めただけだ。
でも、だったら私も、こんな大騒ぎになる前のもっと早い段階で自分の嘘を告白しておけば良かったわけで、それをしないままにズルズルと今まで来てしまったのは間違いなく私が悪い。
じゃぁ、なぜ今まで嘘を告白しなかったのか、自分の胸に手を当ててじっくりと考えてみると、そこに私のくだらない自己満足が無かったといったら嘘になる。
あれよあれよと源五郎がカリスマブロガーとなってしまったことで、平凡な私のくだらない発言でも多くの人に見ていただけるようになった。
そして、ちょっと誉めるポイントがずれているとはいえ、それでもとにかく誉めてもらえるという状況は、私のような何の取り柄もない人間にとってはじんわりとした麻薬的快感があったことは否定できない。
最低だ、私。
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