ーよんー

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 居心地(わる)くもぞもぞとしていると、()(ざき)は大きく嘆息(たんそく)し、ほんの一瞬、鼻で笑った。 「してねえよ。てか、したかしてないかぐらい、そんなのケツの()(あい)でわかるだろ」 「そう……だけど」  やっぱりそういうものなのか。僕はほっとひと(いき)ついた。その(すき)()って、()(ざき)(いら)()たしげに舌を()らす。 「処女顔かましてよく言うぜ。おまえってマジ、そういう手法(しゅほう)なんだな。()(さん)(てき)っつーか……ま、いいけどよ。なーんか、ちょっとむかつく」  なにがどうして()(ざき)が不機嫌になったのか、それはよくわからない。それでも僕は心の(そこ)から(あん)()していた。本当は、キスだけでも十二分に衝撃的な()()(ごと)なのだ。 「――で。余興(よきょう)はあとにとっておいて、だいぶ元気になったみてえだし、いい()(げん)(はら)()ったから(めし)()おうぜ。なにはともあれ()()()()だ。こうなったらルームサービスでいいな?」 「……え……」  その提案(ていあん)困惑(こんわく)した。面倒(めんどう)をかけたことは()(じつ)だし、今回の(わる)ふざけは(おお)()()るより()(かた)あるまい。 「でも……」  あんなふうに()げた僕に、()(ざき)は腹を()てていないのだろうか?
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