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あっと言う間に太陽が顔を出した。
空気が澄んでいるのだろう。初冬の朝日は眩しかった。
淡い金色の光の中、セレ達はアルムの小屋の前にいた。
「お世話になりました。」
「楽しかったよ。」
「ありがとう。」
それぞれが感謝し合い握手を交わした。
別れの挨拶は短かった。
…名残を振り切るのには少し慣れて来ていた…。
白っぽい道を、元来た方角へと戻ってゆく。
最初に通った果樹園が見えて来た。
「あそこの林檎は美味しかったわ。また食べたい!」
ピアリが言った。
「君は本当に果物が好きだな。」
「お母さん譲りよ。お母さんとお父さんの出逢いのきっかけはスイカだったんだって。」
「…スイカが出逢い?どんな出逢いだったんだ?」
少し呆れ顔でセレが言った時だった。
…青っぽい光線がセレの胸を貫いた…
「?!」
セレは声も出さずにその場に崩れた。
「セレ様?!」
ナーガが抱き止めた。
「セレ?!」
「どうしたの?!」
青紫色に光る矢がセレの背中から胸を貫いて刺さっていた。
「セレ!」
「セレ様!」
…誰が呼んでもセレは動かなかった…
- 第3部 完 -
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