後輩×先輩

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「田中先輩」 実行委員会の集まりが終わり、1つ下の学年の鈴木さんに呼び止められる。 「どうしたの、鈴木さん?」 他の生徒も半ば帰ったところで、黒板に書かれた決定事項を書き写している数人と、私と、鈴木さんが残る教室。 「ちょっと、相談したいことがあるんですけど……」 教室に残る数人を見遣る鈴木さん。多分、他の人に聞かれたくない話なんだろう。 「相談?それなら、今からどこかでお茶でもして帰る?」 私の提案に、少しだけ緊張が解けたように頷く鈴木さん。 「じゃあ、荷物取りに行くから、正門で」 鈴木さんに告げて、教室に荷物を取りに行く。教室には何人かが残って勉強していた。分からないところを教師に質問に行くのに、学校に残って勉強するのは確かに効率的なのだろう。もっとも、私は人前で勉強するのが好きではないから、教室に残って勉強する人の気持ちはわからないのだけど。 勉強してる人の邪魔にならないように静かに荷物をまとめ、仲の良い友達にだけ教室を出るときに軽く手を振って正門へ向かった。
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