3/14

21人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「ところで野村は遅いね」 高野さんが話題を変える 「別に今日くる必要はないからな」 陣内さんも意地悪発言を蒸し返さない。ぼくと同学年の会計の野村は、学期末の会計監査にのみ顔を出す気でいる。要するに 「三人か。確か剣持は昨年の新入生歓迎会は病欠だったね、概要には目を通したか」 「はい。部活動とサークル勧誘を兼ねたゲームなんですね」 「その通り。特待生は飲み込みが速くて助かるよ、勘と運と運動神経のバランスが取れたグループが勝ち上がってくる」 無駄話に費やす時間がないのだ。生徒会活動は放課後の一時間のみ、各部の案に目を通しながら 「生徒会もクイズを出すんですか」 顔をあげずに聞く。演劇部は歌舞伎の屋号から、料理部は日本初のカレー店名、風紀委員は吸血鬼伝説の分布国をバルカン諸国以外で述べよ、とある。かなりマニアックな出題だ、ヤバい、答えが合ってるのかが分からない。どうやって調べるんだ、コレ 「だすよ。6戦全勝したグループのみ生徒会への挑戦権を獲得し、答えられれば、今年の学期末能力テストの傾向と対策を7階で指導して貰えるんだ」 高野さんが羨ましそうに言って 「出題参加のみの部と役員の猛攻を受け、全滅という年も多々ある。剣持も二問くらい問題を考えておいてくれ」 陣内さんがため息と一緒に、答えの正否が分からねー、呟いた
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加