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あまりにも寂しくて目が覚めた。性別は同じ、九鬼さんは先生でぼくは高校生。公表したら九鬼さんに迷惑がかかる関係だ。九鬼さんと義兄さんはぼくのため、そう言うけど、ぼくは先生の九鬼さんの方が困ると思う。薄手のカーディガンを肩に羽織り、部屋を出てキッチンへ行くと、キッチンの隣、居間の襖が開け放たれていて、後ろからゆり姉に覆い被さった義兄さんが耳元に唇を寄せ、囁いてるのが見えた (いーなーアレ、ぼくも九鬼さんとしてみたい) 腰を高くあげたゆり姉は、義兄さんの腕の動きに合わせ、荒い息を吐く。時々、んんー、唸るのは畳に義兄さんの手が近づくとき。何をやってるのか、想像は膨らむけれど、恥ずかしくて覗けない。パンを二枚、トーストして 《チーン》 焼きあがったパンを皿に移してると 「あらテルちゃん、日曜日なのに早起きなのね」 ゆり姉がぼくに声をかけてきた 「新入生歓迎会なんだよな」 義兄さんが言って 「そうなの? おかしいわね、去年もあった? それ」 ゆり姉の声が厳しくなる。家の誰にも伝えてなかった、お金のかかる新入生歓迎会のことは。失敗したな、図書館で時間を潰していれば、ゆり姉に不審がられることはなかったのに
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