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「ところで、信じていいんだろ」 「え?」 「クイズ。生徒会が生徒を退けなければボランティア確定だからな。こっそり教えてくれ、出題予定のクイズ」 にっこり九鬼さんが微笑んでぼくを見る。義兄さんといい、九鬼さんといい、頭のいい人は言葉を操るのが上手い。クイズの出題はもうすでに、相談に乗って貰ってるから必要ない。彼の言葉は秘密の関係、バレたら迷惑がかかる、といったぼくの心の重石を剥がれ落とすためのもの 「はい」 うわー、初めてだ。緊張に胸をドキドキさせ、助手席に腰を下ろし 「シートベルト回すから、じっとしてろよ」 硬直した。近い近い近い、顎のひげ剃り痕までくっきり、はっきり見て取れるドアップに心臓がバクバク鳴る。鼻息がかかりそうで、そーっと息を吐き、吸い込む瞬間 「その表情、可愛すぎ」 柔らかな感触を唇に受けた 「・・・・・・っ」 頭の中が真っ白。九鬼さんの匂いが鼻を通って抜け出ていく 「じゃ、行こうか」 九鬼さんがハンドルを握る、何ごともなかったかのように。ぼくは、赤面した顔を手で隠し、肩で息をして、彼の横顔を見つめるばかり 「週二回のことだし、生徒にテスト対策を指導するのは構わないんだ」 ぼくの熱視線を浴びた九鬼さんの心持ち緩んだ口元に、柔らかな笑みが浮かぶ
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