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「少尉、今日はよろしくお願いしますっ!」
「ああ、よろしくな康一。今日は君に同人誌の魅力を伝えてやるからなっ!」
久々の休日である彼らはこの一日を大切にしようと考えていた。
尾賀は伊丹と合流し、二人で同人誌即売会の会場へと向かうために、新橋駅でゆりかもめを待っていた。
「おい、なんかリアルじゃないか?」
「あっ、ほんとだ。何かのイベントかな?でも、他の人たちの様子がおかしいよ?」
すると、一組の男女がしきりに外を指差していたので、男女の方に目と耳を傾けると、二人や他の通行人は自身の目を疑う光景を目の当たりにする。
その光景とは、ドイツ軍に酷似した集団が人々に襲い掛かっているというものであった。
これを見た伊丹は瞬間的に『異世界』だと理解した。いや、理解出来てしまった。
二人は急いで駅を降り、二手に分かれた。
「くそっ!このままでは、夏の同人誌即売会が中止になってしまう!!」
伊丹は銀座周辺の地図を見て皇居が最適だと思い、駅の近くの交番に行って、警察官に事態を説明したうえで、皇居を指差した。
尾賀はまだ助かる人が居るかも知れないと思い、伊丹から離れて軍勢が溢れ出てきたと思われる銀座四丁目交差点から数百メートル離れた交番へ向かった。
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