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「なんだこいつ?!どこの国の言語で喋っているんだ?」
尾賀が警官を刺そうとした兵士を押さえ込むと、自身の耳を疑った。
何故なら、英語などの外国語にも聞こえる気もするが、今まで聴いたことが無かった言語を叫びながら兵士がもがいていた。
最初こそは、融通の利かない政治運動家や過激な宗教集団の残党などと思っていたが、聞いたことがない言語を叫ぶ兵士を見ると、伊丹のように『異世界』としか思わざるおえなかった。
しかし、尾賀は戸惑う事なく。兵士が落としたナイフを手に持って、兵士の首に突き立てた。
「危ないところだった……皆さんここは危険です。一緒に逃げましょうっ!」
尾賀は返り血を拭いつつそう言いながら、警官と二人の女性に皇居への避難を促した。
「申し訳ない。今は一刻を争うんだ……」
尾賀はそう言いながら、倒れていた警官が握っていた80式拳銃を自身の手に持ち、予備弾をズボンのポケットにしまった。
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