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門から溢れ出てきた軍勢は老若男女問わず、人々に襲いかかっていた。
平和に慣れ親しんだ人々は抵抗の術なく、惨劇の中に倒れていった。ある人々は歩兵が操る小銃、機関銃から放たれた銃弾や銃剣によってその命を絶たれたり、必死に逃げ惑う人々は空から無慈悲に機銃掃射を行う戦闘機の格好の獲物になってしまい。
一人でも多くの人々を避難させるために、人員を掻き集めて時間稼ぎをしていた警官隊は、轟音と煙を上げながら走る戦車の履帯によって踏みにじられ、その主砲から放たれた砲弾の餌食になった。
異世界から来た軍勢が破壊や暴虐の限りを尽くした為に中央区の街は累々たる屍に覆われ、道路は赤黒い血で舗装されていた。
皇居の前は、不安になっている人々で溢れかえっている中で伊丹は皇居前で警官と口論になっていた。
「皇居に民間人を入れて立て籠もるんだ!」
WWⅡレベルの戦力を持ち合わせている敵とはいえ、日本の地理を理解していないので、一時的に行動を停止してるだろうと考えた伊丹はむやみに逃げ回って戦闘機に襲われない為にはこうするしかないと考えた末に皇居を選択したのであった。
「誰だね君は?今は我々の指示に従うんだ!」
人によっては非情だと思うかもしれない言葉が警官から帰って来た。だが、彼はそれに負けず。警官の言葉を跳ね返した。
「むやみに逃げ回っていて、このまま奴等が来たらどうなると思う?!皇居の前。いや、東京が血で染まるんだぞ!」
この言葉でやかましかましかった皇宮警察が黙り込む。
しばらくして、そこにお住まいの『あのお方』のお言葉によって揉め事が鎮まり、人々が皇居正門へと一気に雪崩れ込んで行った。
それから尾賀も警官と共に複数の親子連れや外国人観光客などの市民を連れてやって来た。
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