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機動隊の増援部隊が到着し、皇居周辺は死守の構えとなった。
伊丹は自らの士官手帳を見せてから機動隊員に外の状況を聞いた。
「暴徒が出現したと思われる銀座は敵に占拠されて居ます。桜田門以南の官庁街周辺では現在も他の機動部隊と戦闘が継続されている模様。今現在、練馬基地や厚木基地などから陸空の国防軍の援軍が向かっています」
「状況は、切迫しているというわけか……」
機動隊員の話によって、再び敵がこちらに進路を変えて侵攻して来ている事が分かった。
しかし、皇居は徳川幕府の時代に築かれた江戸城と呼ばれる軍事施設だった名残で、皇宮警察には携帯式防空ミサイルシステムなどが配備されている。そのためか、先程からこの皇居に飛来していた敵の戦闘機を撃ち落としていたミサイルのおかげで中にいる人々や警察官が誰1人と犠牲にならなかった。
「国防軍が到着しましたっ!我々は、軍の後に続いて行動します。いつでも暴徒の鎮圧が出来るように心がけてくださいっ!」
「いよいよ始まるのか……」
立て籠もって三十分経った頃だろうか。警官が走って来て国防軍が到着した事を報告すると、機動隊員達が催涙銃や短機関銃と防弾シールドを手に持って歩み始めた。
伊丹と尾賀は、黙ってこれからの状況を見つめるのであった。
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