第一章 開門編 第一話 銀座事件

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到着した国防軍の70式大型トラックからは士官達が降車し、11式小銃や75式汎用機関銃を手に取った。 都道301号線からは機甲科の08式機動戦闘車と10式戦車や90式戦車が車列を成して、敵の殲滅に向かっていた。 国防軍が向かって来ているとも知らない敵の砲兵隊がトラックで牽引して来たと思われる野砲で皇居の内部を攻撃しようとするが、突然聞きなれない音が頭上に響いたので砲兵隊の兵士が視線を音の方へ向けると、機関砲掃射による火花が兵士達を襲った。 それは、敵を制圧する為に来た国防陸軍の97式攻撃ヘリコプターの30mm第一類機関砲だった。 抵抗する術が無かった敵は肉片と鉄くずに姿を変えた。 そして、国防軍と警察による反撃が開始された。 敵と国防軍士官達は互角ともいえる勢いで撃ち合っていた。 しかし、敵の小銃や機関銃では威力が不足しており、そのうえ敵の主力小銃はボルトアクション方式であるため、そこに微々たる隙が出来ていた。 これに気づいた機動隊が催涙弾による攻撃で押さえ込み、敵がさらに怯んだ隙に士官達が一気に掃討することにより敵の歩兵が悲鳴を上げながら一方的に倒されていった。 ここに来るまで警官隊を蹴散らしてきた敵の戦車隊は数十台に並んで、向かって来ていた機甲科の戦車を攻撃するものの、あっけなく砲弾が弾かれ、同胞の敵討だと言わんばかりに10式戦車と90式戦車が誇る44口径120mm滑腔砲が火を吹き、そこから放たれた成形炸薬弾が敵の戦車達に命中し、爆炎を上げながら停止していった。 これ以上、太刀打ち出来ないと考えた敵が徐々に後退し始めるが、裏道から回り込んで来ていた機動戦闘車や他の普通科部隊と皇居方面からやって来た第四機動隊によって包囲殲滅される形となった。 最後の抵抗とばかりに十機の敵戦闘機が並んで、急降下をしながら機銃掃射の体制に入ったが、国防空軍の83式戦闘機が甲高いジェット音と共に現れ、たった三機で敵を翻弄する。速さについて行けない敵は味方同士で衝突したり、83式戦闘機の機関砲のみで撃破されるというありさまだった。     
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