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敵の戦意が無くなった所で「検挙開始」という甲高い掛け声と共に機動隊員によって多くの兵士が拘束されて行った。
敵は一万には満たなかったものの、多くの罪なき市民や警官だけでなく、今の戦闘で少数の国防軍士官も犠牲となった。
伊丹が戦闘が終わった後の皇居の中を歩いていると、家族や友人に連絡を取る人や、救急隊員が腕を銃剣で刺されたであろう人を手当てしていた。すると、泣きそうになりながらも両親を探している少女と伊丹は出会った。
彼は駆け寄りながら彼女に対して「親とはぐれたのか?良かったら俺も一緒に探すよ」と言いつつ手を差し伸べた。彼女もこれに応えるように手を出した。
だが、戦いはこれで終わりでは無かった。
すぐに銀座周辺には国防軍の援護が入り、着々と敵を押し返して行った。その後、異世界の軍隊が出現しなくなるまで五日間、国防軍と警官隊はさらなる犠牲を出しながらであったものの、六万人にも及ぶ軍勢を撃破した。その六万人の内、生存した四千人は逮捕者となった。
後に、この歴史的な出来事は『銀座事件』と呼ばれるようになった。
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