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「助けてくれ……」
生き残った男がそうつぶやいた。
ボクは目を閉じる。
そして、その男に近づく。
「あ、あの――」
男がゆったりとボクに銃口を向ける。
BAN!
銃弾がボクの頭を貫く。
「こ、これで俺もレベルアップして――」
銃弾を放った男がそこまで言いかけゲルンガに頭を潰され絶命した。
「主は……咎人か?」
ゲルンガが尋ねる。
「わからない。
だけどそうらしい」
「能力はなんだ?」
「能力?」
ボクは首を傾げる。
「主の能力は、レベルアップか」
「え?」
「主のオーラは、レベルアップモンスターのオーラに近いものを感じる」
「レベルアップモンスター?」
ボクにはわからないことだらけだった。
「傷つければ、レベルが上がる希少種モンスターのことだ」
「希少種……」
「ああ、だが主は不死のようだな」
「うん」
ゲルンガは、何かの気配を感じる。
「さて、我はここを去る。
主はこれから地獄を見るだろう」
「あなたは僕を傷つけないの?」
「我は真の強さを求めるものなり。
強くなれ、少年よ!」
ゲルンガは、そして姿を消した。
「おい!子供がいるぞ!」
中年の男がボクを見る。
そして、複数の男たちがボクを見つける。
助かった。
ボクは、そう思った。
しかし、それは絶望の始まりだった。
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