03 奴隷生活

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「大丈夫?えっと」  タマがボクの方を見る。 「僕の名前は、ボクだよ」 「そっか、ボク。  ボク、どこで産まれたの?」  タマが優しく言った。 「わからないんだ。  僕は捨て子だから」 「そっか。  あのね、もしここを出れたら詩空孤児院を尋ねて」 「え?」  ボクには何のことだかわからない。  すると部屋の外が騒がしくなる。 「逃げるよ。  ボク」  タマが、そういったとき。  尻尾が7本になっていた。  そして、一本の尻尾を刀に変えた。  その刀で壁を切る。  穴が開く。 「ここから逃げて、詩空孤児院ならあなたを護ってくれる。  あなたの能力もそこで発動しない」 「でも、タマさんが……」 「私ね、妹がいるの。  あなたと同じくらいの歳のね。  だから、おせっかいを焼くね」  タマが優しく微笑む。 「タマさんは、逃げないの?」 「うん、私は戦うわ」 「誰と?」 「テオスという敵と」 「テオス?」 「時間がないから早く逃げて。  なにがあっても絶対に振り返らないで」  ボクは覚悟を決めて逃げた。  雨が降ってきた。  ボクと同じ歳の子どもがいた。 「あの君も逃げたほうがいいよ!」  ボクは、その子どもコレクターに誘拐された人だと思った。 「逃げる?僕が?」 「え?あ、うん」 「逃げるってことは、誘拐された子か……」  子どもの言葉にボクは思った。  もしかして、この子も敵なのかと。 「逃げるのは君の方だよ」  ボクは警戒した。 「早く!ここは僕が持ちこたえさせる」 「君は誰?」 「僕は、13。  それ以下でもそれ以上でもない」 「13くん?」 「うん、君はどうするの?」 「僕はここに残る」 「え?」 「僕も戦う。  君は逃げて」 「でも……」  ボクの言葉に13はうなずく。 「僕は傭兵なんだ。  だから戦う」  13は、手のひらの銃を召喚した。  そして、ボクに向かって撃った。  銃弾はボクにかすめることなく後ろに飛んでいった。 「ぐあ」  後ろから悲鳴が聞こえる。 「え?」  ボクが振り返るとオークが一匹胸を押さえて倒れている。 「さぁ、逃げて……早く!」  13の言葉にボクは頷きそのまま走り去った。
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