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ボクは、座来栖と出会い。
13とも出会い。
その大地を踏み込む。
「ようこそ。
パンドラの村へ」
13がそういって小さく笑う。
「あ、はい。
お邪魔します」
「これからは、こういうときは『ただいま』でいいんだぞ?」
座来栖の言葉にボクは、嬉しかった。
家族からも無視され、学校のクラスメイトからも避けられ。
ボクは、この言葉を忘れていた。
「ただいま」
ボクの心が暖かくなる。
ただいまって安らぐ。
「おかえり、ボク」
そして、思う。
おかえりって暖かい。
「……その子は、誰じゃ?」
そういって現れたのはショートカットにセーラー服を着た女子高生風の女の子。
瞳は、ボクと同じ金色だった。
「この子の名前は、鋼 ボクだ。
清空さんのところでお世話してもらおうと思っているんだが……」
座来栖が、そういった。
「金色一族とこんなところで、出会うとは思わなかったな」
彼女の名前は、詩空 清空。
詩空孤児院の院長を務めている。
「だが、コイツはちょっと訳ありなんだ。
フィサフィーと接触している」
「そうか。怖かっただろ?
生きていてよかった」
「あの……」
ボクは話した。
フィサフィーにかけられた呪いのことを。
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