04 掟

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「歩法。  なんかかっこいいな」  ボクの目がキラキラと輝く。 「君が受け取る技は、歩法の中でも一番難しくいちばん重要な技だ」 「そうなんですか?」  ボクのテンションが少し上がる。 「歩法・護りの章~逃げの形」 「逃げですか?」 「そう逃げの形さ」 「かっこわるい」  ボクのテンションが下がる。 「無傷なのも強さの証さ。  特に君の場合は、攻撃が当たってしまえば敵を強くさせちゃうからね。  そうさせないための基本の形だと思ってくれ」  白銀の目が真剣だった。 「……はい」  ボクも空気を読みうなずいた。 「ま、今日は疲れているだろうから部屋に案内しよう」  清空がそういってボクの頭を撫でる。 「はい」  ボクは再びうなずいた。  疲れいるのも事実だった。  部屋に入りすぐにその部屋にあったベッドに横になる。  そしてボクは久しぶりに……  この人生では初めてベッドで眠った。
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