03 奴隷生活

2/9
前へ
/178ページ
次へ
 そんな見世物にして何の特になるんだか」  サカキは、小さくため息をつく。 「では、お尋ねしますがサカキさまは、ボクをおいくらで買いましたか?」 「んー、確か100シルバーくらいだな。  1ゴールドにも満たなかったはず」 「そうでしょうそうでしょう。  咎人という存在は高くは売れません。  不思議な力を持っているのがほとんどですからね。  その不思議な力を封印しているのがあの印です。  ですが、ボクはこれまで不思議な力を使ったことがありますか?」 「ないな」 「そう、つまりボクの咎は神の間違いだったのです」 「そうか……」 「ちなみにショーに出すのなら少なくても1000ゴールドは貰えますね」 「そっか……  でも、食われるのはかわいそうだな」  サカキは少しだけの良心があった。  しかし、老人は引かない。 「そうですか。  お優しいのですね。  では、この私フィサフィーに1000ゴールドで譲ってはいただけないでしょうか?  なぁに餌にはしませんよ餌には……」 「……餌にしないのなら、まぁいっか。  奴隷契約の呪印を爺さんに譲ろう」  こうしてボクのいないところでボクの売買契約が成立していた。
/178ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加