03 奴隷生活

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 ――夜の馬車の中 「ボクよ、左腕を出してみぃ」  フィサフィーがそういうとボクは静かに左腕を出した。 「うむ、咎人のアザがあるな」 「はい」  フィサフィーは、嬉しそうにそのアザを触った。  そして、しばらくするとそのアザは熱を持ち始めた。  熱いと感じた。  しかし、ボクはなにも言えない。  騒げば殺されるかもしれない。  そう思ったからだ。 「ほりゃ、これで咎人の呪印は消えたぞ」 「え?」 「なに、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしているのじゃ?」  フィサフィーが笑う。 「でも、咎人の印って消えないんじゃ」 「神ならば消せるのじゃ」 「神?」  ボクには、なんのことかわからなかった。 「わかっているのは、鉄砲玉を食らうのは主ってことじゃ」  フィサフィーと共に馬車が止まる。 「どういう意味ですか?」 「主には別の呪いをかけた不死の呪いじゃ……  成長も16歳で止まる、その時点で不老不死じゃよ」  ボクの瞳が金色に変わる。 「え?」  ボクの頭が混乱する。  それと同時にボクの胸にぽっかりと穴が開く。 「鉄砲玉に当たるのはお主じゃ」  ひとつ、ふたつ、みっつと穴が開く。  それと同時に歓喜の声が上がる。 「なんだこれは!あの場所が撃てば力がみなぎるぞ!」  その言葉とともに様々な銃弾がボクの身体を貫く。 「痛いか?痛いじゃろう?だか死なぬよ。  永久の再生と永久の苦しみを永久に感じ生きるのじゃ!」  フィサフィーはそういって姿を消した。
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