03 奴隷生活

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 飛び交う銃弾。  かすめる銃弾。  命中する銃弾。  後頭部さえも貫かれても死なない身体。 「痛い……痛いよ」  ボクは、頭を押さえる。  ただ声を小さくして涙を流す。  やがて銃弾が止まる。  苦痛から逃れれる。  そう思った。  しかし、外は騒がしい。  ボクは恐る恐る銃弾によって空けられた穴から外を覗く。  するとそこにいたのは、狼だった。  二足歩行で歩く狼。  身体はまるで霧のように透けていた。 「コイツもしかしてゲルンガじゃないのか?」  銃を持った男がひとりそういって笑う。 「なにがおかしい?」  ゲルンガと呼ばれる狼がその男を睨む。 「だってお前を殺せば――」  男はその言葉を放つことなく首と胴体が離れ離れになった。 「我を殺すか……  しかし、できなかったようだな愚かき者よ」  他の男達が一斉にゲルンガの方に向けて銃を放つ。  しかし銃弾は、ゲルンガの身体をすり抜けていた。 「銃が効いていない?」  男たちが怯える。 「怯むな!撃ち殺せ。  的を撃ってレベルが上った俺らに敵はいないはずだ!」  男たちは、めげずに銃を放つ。 「本当に愚かなものだな」  ゲルンガが腕を振り上げそして振り下ろす。  するとゲルンガの腕から紫色の霧が男たちを包み込む  男たちが苦しみだし、そのまま動かなくなった。  絶命する。  ゲルンガは、ボクの方を見る。  そしてゆっくり近づいてくる。  なにをされるかわからない。  ボクは、馬車から飛び降りる。  馬車から離れる際、見てしまった。  銃で蜂の巣にされた運転手。  そして、転がる首に苦しみ死んだ男たちの姿を……
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