第一章

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声を録音して、イジメの証拠だと提出した根暗など生きる価値もないと。 「ふふっ、暴れたい?」 楽しげな声と、俯く少女の後ろに見える一つ上の学年と判る制服。 鮮やかなブルーは二年、自分達一年のネクタイは臙脂だ。 「あら、案外と気概に満ちている目をする子ね」 艶やかな声が気だるげに響く。 宵闇が迫るクラスの中に。 「僕等はね、この学校を新しい餌場に決めたんだ」 「提供してくれたのは、この子」 男女の甘い声が囁き合い交わり、俯く少女に先輩である生徒の腕が絡む。 白蛇を思わす腕が。 「誰も救ってくれないなら全て滅んでしまえば良いと願った、この子の望みを私達は受け入れたの」 白い指先が俯く顔を引き寄せ、対照的に紅い唇から這い出た舌先が少女の頬を舐める。 「可愛い子、可哀想な子。弱くて儚くて、家族を悲しませない為に、たった一人死ぬ事さえ我慢していた子」 甘ったるい先輩の声が呪文の如く紡がれ行く。
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