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「……叶、先輩」
悦びに仰け反る首元に、艶かしい顔が埋められる。
捕食されているのだ。
やがて痙攣する、白い腕に抱かれた華奢な体。
かつてイジメの対象とし、自分をクラスの頂点から蹴落とした少女が恍惚の笑みを浮かべて絶命するのを、空中にぶら下げられたまま見せ付けられた。
なんて美しく幸せな最後なのだろう。
嫉妬する程に淫靡にして荘厳。
返って自分はどうなのだ。
仲間にするとの言葉に騙され、選ばれたと言う想いを踏みにじられ、絶命しないギリギリの所で意識を保たされ、憎む相手の美しくもあえかな命の終わりを見せ付けられる。
汚い貴様は餌でしかないのだと嘲笑う様に。
誰か、殺せ。
殺せよ、この化け物を。
吸血鬼を滅ぼせ。
そこで美しく死ぬのはあたしの筈だと心中に叫ぶ。
「なんて可愛い子」
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