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「アリス様、準備が整いました。移動用の馬車に食料と水。それと、毛布を用意してあります」
「ご苦労様。ハッタとヘイヤは急いで準備してね。私は馬車で待ってるわ」
アリスが出て行き、残された三人は目を合わせる。
「お兄ちゃん、本当に魔王を倒すの?」
「仕方が無いだろ。報酬を先に受け取ってしまったからな。それより、セバスさんは魔王に勝てるのかい?」
「一対一ならば、恐らく」
「そっか。アリスの我が儘に付き合わされて大変だね」
「いえ、光栄です」
「本音は?」
「家に帰って休みたいです」
……
……
この人も可哀想だ。ジーンの話を聞いた時と同じく、ハッタとヘイヤは再び憐れみの表情を浮かべた。
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