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アリスが魔王討伐へと動き出す。その頃、ジーンは魔王の煌びやかな豪邸に目を輝かせていた。
「すごーい! 魔王の城って、もっとジメジメした暗いところを想像してたよ」
「お気に召されたようだな、姫よ」
「だから姫じゃないって……」
魔王は金色に光る鳥の彫刻を手渡す。
指先が触れ、少しだけ頬が赤く染まった。
「かつて勇者一行を苦しめた伝説の魔物がモチーフとなっている。黄金の輝きに相応しい魔物だったよ」
「カッコいい!」
「欲しければくれてやる」
「ほんとっ!? えへへ……嬉しいなあ……」
弾ける笑顔が魔王の心を魅了した。
なんだ、この胸の高鳴りは? これが恋というものなのか? 私は魔王だぞ。恋なんぞするはずが……
「ありがとう。大切にするね」
「我もジーンを大切にすると誓おう……」
「えっ?」
相手が男だと気付かず、甘い言葉を口走ってしまった魔王。
着実に黒歴史が積み重ねられていく……
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