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「ハッタ様、超加速ブーツの性能を教えて頂けますか?」
「簡単に言えば、倍の速さで走れるブーツだよ」
「では、皆様の百メートル走のタイムを教えて下さい」
「十三秒くらいよ」
「十二秒台で走れるぜ」
「十六秒くらいですぅ」
「つまり、一番速いハッタ様が超加速ブーツを使っても勝てませんね」
「どんな手を使っても構わないわ。勝てる作戦を出しなさい」
ドードーの噂が本当ならば、例え超加速ブーツを使用しても、百メートルを十秒以内で走らなければ勝ち目は無い。
そんな状況でも、取り乱さず冷静に答える。
「お任せ下さい」
作戦会議が終わり、セバスがドードーと交渉した。
「スタートの合図はこちらでやらせて貰えませんか?」
「合図? ああ、いいよ」
「では、少々お待ち下さい」
次にヘイヤを呼びつけて耳打ちする。
「ヘイヤ様、アリス様が手鏡を覗いたらスタートの合図をお願いします」
「手鏡を? 分かりました」
続いてハッタをスタートラインに立たせ、その後ろにアリスを立たせた。そして、アリスに手鏡を握らせる。
「こちらの準備は整いました」
「私はいつ始めても構わないよ」
セバス以外は何をしているのか分からない、悪魔の作戦が実行された。
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