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アリス達はドードーを撃破して先に進む。
その頃、魔王は多くの書物が保管されている部屋にジーンを案内していた。
見渡す限り本で埋め尽くされた圧巻の部屋に、ジーンは驚きを隠せない。
「凄いね……歴史的に価値の高い本もありそう」
「この部屋だけで、世界中の情勢を知る事も可能だ。大概の内容は、我が頭脳にあるがな」
「魔王は博識なんだね。あっ……」
「どうした?」
「目に埃が……」
「見せてみろ」
魔王は意識せず、顎クイッをする。
ジーンの潤んだ瞳が魔王を魅了した。
心臓が爆発しそうな音を立てる。
このままキスをしても良いのだろうか? まだ早いか? ハンカチを渡して、紳士的な態度を見せた方が良いのか?
走り出した愛が止まらない。
ジーンを大切にすると誓った心に偽りなど無い……でも、メチャクチャにしたいと本能が叫ぶ。
……
……
「さあ、これで涙を拭くんだ」
「ありがとう」
理性が勝利した。
その褒美として、ジーンの可愛らしい笑顔を見る事ができた。
ジーンを姫と疑わない魔王は、あくまで紳士的な対応をしようと新たに誓う……
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