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授業が終わればまたほかの授業へ。そのことの繰り返しが私たちの日課であったが今日、これが終われば私は儀式に移る。種族次第では今よりももっと上に行くことができる。そして友達に顔向けがやっとできるようになる。私にとっては今日ほど大事な日はなく、とても緊張をしていた。ただ、ワクワクもしていた。勉強では努力すれば結果はついてきた。それなら今回もうまくいくと思っていた。
授業が終わり数分後、先生に呼ばれ案内されるまま校庭に出れば、上級生、先生そして私の友達ユーリ・メル・フォルインがいた。最初はユーリが緊張をほぐすように声をかけてくれた。
「やっぱり緊張している?でも大丈夫、ドラゴンが出ても私たちがいるから安心して」
でも、それは私にとっては少し嫌味にも聞こえた。私とは違いここにいることだけでなく、上から二番目の強さを誇るワイバーンを召喚に成功しているからだ。周りからはくすくすと笑い声が聞こえ、それを師範が止めているのが見えた。
私は彼女の顔に泥を塗ったと思った。それでも彼女は私とも会話をしてくれる。嫉妬はしているがやはり、いい友人であることには変わりない。何より許せないのは自分自身の弱さ。それが私の一番嫌いなもの。虚勢を張るつもりはないが、自身はあった。図書館で手に入れた古文書を使って今回の儀式の媒介にする。私にとってはドラゴンよりも人型の種族のほうがほしかった。
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