第3話 召喚と少女

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約七百年前にこの召喚で人型の悪魔の召喚に成功した人がいた。召喚に使ったものは人間の死体。呼んだ人は現在王国を収めている王様の祖先に当たる。戦争では活躍は見込めないが、あまりにもレギュラーすぎる存在のため魔術の回路の移植を断念したといわれている。そのため正式な契約をすることはなかったが、仮の契約だけでドラゴンを倒す逸話を何度も耳にした。 私に力はない、でもここで変わるかもしれない。本来の媒介ではなく人間に近いものを媒介にして昔の英雄や王様などを呼びたかった。本来ならば、爪のかけらや、卵のかけらなど体の一部を使うが、私が使ったところでその召喚獣をちゃんと使役することができないため断念した。 準備が終わったらしく、私は七つある魔法陣の一番内側に入った。 魔法陣は六芒星で端に小さな魔法陣、中心に大きな魔法陣を張るもの。何より、一番危険性がないからだ。簡単なうえドラゴンが出れば二十に結界を張ってしまいその後、鎖で身動きを止めてしまえばいいからだ。 媒介の古文書を魔法陣の中に置き私は詠唱を開始した。
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