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第四話 青年と抑止力
鍵を閉めていないことを思い出し俺は玄関の鍵を閉めに向かった。そこで鍵を閉めに行くと玄関で異変に気付いた。圧倒的に黒い。何度か目をこすり見直したがそれでも黒く少し離れた。
思考がまとまらなかった。何をどう考えても本来こげ茶色の玄関が急に色を変わるなんてありえない。さっきも見ていた。確かにあの時は、普通の色をしていた。
黒いしみがドア全体を覆い尽くし、何かが出た。出たものは手に近い何か。危うく捕まりそうになるが、意識を持っているようには思えず俺の足の前で果てる。しかし、その手は果てた後、黒いしみ作り上げていた。
「なんだこれ。なんだこれ。なんだこれ。なんだこれ」
わけのわからない事態に足がすくみそうになるが必死に部屋の方に逃げた。
「確か、包丁があったはず」
急いでキッチンの収納棚の中から、包丁を持ち出し黒いしみに向けて投げる。しかし、その黒いしみは包丁に対して一切の干渉をしていないようで、こっち襲い掛かる。
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