第1話 真夏と青年

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「おい、テメー何してやがる!」  今から逃げるには、次の駅で降り、そして改札まで最速での移動。幸いすぐにつきそうだったので、両手首をつかまれた状態から、俺は相手の手首を掴みそして、捻じ曲げた。これにより二人は手を放し、そのタイミングで駅に着いた。  駅に着くと、俺はすぐに走り出した。電車に乗っていた人には多少迷惑がかかっただろうが今は緊急事態だ。階段からは反対側だったので手すりを上りそのまま階段を半分ぐらい飛ばした。少し、足が痛かったが、止まるわけにもいかないので、そのまま改札を勢いよく抜ける。ポケットの中に日頃からカード類をまとめたものを入れておいて正解だった。  しかし、そんなことでは冤罪の魔の手は終わらず、彼氏が叫んでこっちに向かってきていた。  こういう時の対処方法は一応学んでいるが、公衆の面前でするわけもなく、そのまま俺は逃げ続けた。改札を抜けると俺はマンションの方へ進む。途中公園があったので、そこに入り相手を待った。しかし、なかなか来なかった。  結果から言えば、追いかけてはいたが体力が足りないみたいで公園に来るときにはもう相手はばてていた。     
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