第1話 真夏と青年

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 猛暑シーズンに入り脱水症状のニュースが流れる中むしろほめるべきか…俺自身も息が切れるとまではいかないが少しの汗が出ていたのは事実だった。日頃のランニングのおかげでもあるが…  俺はその彼氏を置いていき、そのままマンションに帰った。途中警戒はしていたが、特に何もなくそのまま部屋に帰れた。  帰ってくれば、これからあの線を使うかどうかなど考えていた。 「監視カメラとかセットしてあるよな」  玄関で靴を脱ぎ、カバンに入っている水稲の中身を三割ほど飲み、廊下に転がった。  十万とあの線を比べても…いや、十万と前科もちならこっちのほうが良かったかもしれない、日ごろから鍛えておいて正解だった。  今の年齢ならぎりぎり少年法の範囲に入るが冤罪で捕まるのは、何より俺の保護者自体が曖昧な存在のため、大学に知られれば退学になるかもしれない。 「久しぶりに布団干すか」  そう意気込み、布団を干すため自室からベランダに掛布団と敷布団を持っていき干した。布団を干せば後は楽になるが…することが昼までなかった。三限目の始まりが十三時、現在時刻が九時過ぎ。何をしようにも部屋自体はきれいである上、洗濯物も昨日すべて片づけた。ゲームなどをやる気もそがれてしまい、今は扇風機の前でだらけていた。
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