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「…何なんだ、これ」
二階の自室のベッドで横になりながら、左手のそれを改めて見つめる。
それはアザと言うより、龍の形を模した紋様だった。
家に着いてからすぐに洗面所で洗ったが、この紋様は落ちなかった。
左目も視界良好。
鏡で細かく確認したが、異常は見られない。
あれ程の痛みで、異常がない。
それが凄く不気味に感じられた。
「…家族に言うべきか…?」
しかし父の帰りは遅い。
母は夕飯の支度でキッチンにいるが、余計な心配はかけたくない。
やはりここは、明日学校を休んで病院に…
「トモ!灯李!!いるか!?」
その時一階から、父の叫ぶような声が響き渡った。
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