課題発表

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課題発表

「初めまして、ジェナです」  セミロングの女性が名乗った。 「私はジェナの姉のシェインです。よろしく、龍勝さん、レイラさん」  横にいたショートの女性が言った。  見た感じ、普通の人間と変わらない。背中に天使の象徴というべき純白の翼もなかった。 ―本当に普通の人間だ。誰がどう見たって、普通の人間と変わらない・・・  レイラはそう思った瞬間、ハッとした。 ―オレだって、普通の人間か?  レイラは自分の手を見た。かつて親友を殺した忌まわしい手だ。今はいないものの、つい最近、身体の中にいた龍の力が目覚め、その力で親友だったアキを殺した。龍はいなくなったが、それ以外のモノが自分の中に存在していた。それが普通なのだろうか。  自分が当たり前だと思っていた世界が、だんだんと壊されていく。何も知らないで、よくこの5年間をのんきに生きてこられたものだ。  そしてちらりと龍勝を見た。見た目は普通の人間の姿だが、体に『龍』を宿し、二千年も前から死ぬこともなく、生きながらえている存在。レイラは一瞬、錯覚したようになった。龍勝の姿がまるで別人のように見えたのだ。氷の瞳を持ち、体中返り血を浴びて赤く染まった死神のような姿。  心の底からゾッとした。 ―こいつが、オレの友達?  以前、龍勝は数え切れない程の命を奪ってきたのだと言っていた。それを聞いているせいだったのかもしれない。血に濡れた姿こそが、彼本来の姿なのかもしれない。
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