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「どうした、レイラ?」
レイラが自分を見ていたのに気づいた龍勝が訊いてきた。
「いいや、なんでもない」
レイラはそう言って目をそらした。
皆、一体何を思って死に、殺されてきたのだろうか。レイラ自身には分からない。殺したことはあっても、殺されたことはないのだから。
「―だからなんだって。ねぇ、レイラ君、聞いてた?」
突然マキが話しかけてきたので、レイラはびくっとした。
「あ、ゴメン、何だっけ?」
レイラは全く話を聞いていなかった。
「もぉ、ちゃんと聞いていてよね。あのね、この二人は7年に一度開かれる試験を受けにきているの。今の二人はエンジェル・スレイ、つまり中位天使。最高位天使、エンジェル・フレイになるため、ここの教会に協力してもらっているのよ。ここは、天上界の天使が初めて人間界に降りてきた場所だといわれてきたから。実際のところは分からないけどね」
「もう、この教会で天上界とお付き合いしてもらうようになって何年たつことでしょうか」
シスターが言った。
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