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「さて、雑談もそのくらいにして、本題に入るとしましょうか。今回の試験の内容を発表します」
シスターの雰囲気がさっきまでの和やかな雰囲気から、ぴりっとしたものに変わった。 ジェナとシェインの二人の顔も緊張している。
「それは、『人間について』です」
レイラはそれを聞いていまいちピンとこなかった。『人間について』とは、どういうことなのだろう。
「『人間について』・・・ですか?」
シェインが訊いた。
「ええ。そうです。それぞれ独自の方法で調べ、12月24日、クリスマス・イヴに報告してもらいます。くれぐれも、エンジェルだと人間たちにばれないようにしてください」
「シスター、質問してもいいですか?」
今度はジェナがたずねた。
「人間について調べるというのはどういうことですか?」
レイラが抱いた疑問をジェナも思っていたらしい。
「そうですね・・・まあ、人間のことについてなら、なんでもいいわけです。体の構成とか、どんな生活を送っているのかとかをね」
なんだか7年に1度の試験にしては適当な気がする。
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