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「でも、そういうのはすでに天上界で学びました。これ以上何を知ればいいんですか?」
シェインが困惑気味に言った。
「それが今回の試験の内容ですよ。人間には私たちが知らない部分もまだまだありますから。最後になりましたが、この試験で合格できるのは一人だけですから、どちらかが落ちることになります。二人とも、報告まであと一ヶ月近くあります。がんばってくださいね。じゃあ、私は用があるのでこれで」
シスターはそう言うと仕事があるのか、祭壇の横のドアから出て行ってしまった。
「『人間について』ね・・・ジェナ、一緒に頑張りましょう」
シェインはジェナに話しかけたが、ジェナは何か独り言を言っていた。
「合格できるのはひとりだけ・・・姉さん」
ジェナが険しい顔をして言った。
「私、この試験には絶対に受かりたい。だから、姉さんとは今からライバルよ。だから、私は私なりのやりかたで調べるから。姉さんは私のしていることに対して何も言わないで。約束よ。
もし、約束を破るようだったら、私は、今後姉さんを姉さんとは思わないから。後、姉さんだからって気は抜かない。姉さんも受かりたかったら、甘ったるいマネはしないで」
ジェナの目は本気だった。
「ジェナ、どうしてあなたはいつもそんなことを言うの?私たち姉妹じゃない。あなたのことを心配していろんなことを言っているのに」
シェインは少しあきれたように言った。
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