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「まだわからないの!?私は姉さんのそういうところが嫌なのよ!親切心で言ってくれているのは嬉しいけど、度が過ぎているの!それは『おせっかい』としか言えないでしょ!」
ジェナは目に涙をいっぱいためて教会から走ってどこかに行ってしまった。残されたレイラとマキはどうしたらいいのか戸惑っていた。その中で、龍勝がいなくなっていることには、誰も気づかなかった。
しばらくして、シェインが口を開いた。
「すいません。見苦しいところをお見せしてしまって」
「いいよ、全然気にしていないから。妹さん、ジェナさんとは仲悪いの?」
マキが心配そうに聞いた。
「仲が悪いとは思っていませんが、この試験が近づいてきて、こっちの世界に降りたときぐらいからですよ。ジェナがあんなことを言うようになったのは。天上界にいたときは、あんなこと、一言も言わなかったのに。何がジェナを変えてしまったのでしょうか」
誰も何も言えなかった。言えるはずがない。姉妹同士のことに対して、他人がとやかく言えるわけがないのだ。
「きっと大丈夫だよ。時間はかかっても仲直りはできるって。だって姉妹なんだから」
マキがそう言ったものの、不安そうな言い方だった。
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