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「全く姉さんときたら・・・なんなのよ」
教会から少し離れた所にある公園のベンチに、ため息をつきながらジェナは座っていた。
先ほど姉のシェインと言い合いになったばかりだ。いい気分ではない。
姉のシェインは昔から、自分のすることに対していちいち口出しをしてきた。親がいなかったせいもあるかもしれないが、度が過ぎていると思う。そんな姉がうっとうしくて仕方がなかった。
―何年経っても、姉さんの中で自分は子どものままだ。それに、姉さんにとって私なんて―
「何ため息なんかついているんだ?」
後ろから声がしたので振り返ってみると、そこには龍勝が立っていた。
「あなた、確か龍勝って言っていたよね。私に何か用?用があるならさっさと言って欲しいんだけど。今すごく機嫌が悪いから」
ジェナは少し苛立った口調で言った。
「なあ、必ずこの試験に受かる方法を知りたいか?」
「え?」
ジェナは驚いた顔をして固まってしまった。
「何で知っているの?」
「もう気付いているかもしれないがオレは人間じゃない。オレには龍が憑いていて長い時間を生きてきた。そしてこの天上界独特の試験を何度も見てきた」
「やっぱり。あなたからは何だか人間とは少し違った空気を感じたの。その方法、教えてくれるの?」
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