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「なんかすごいところなんだろうな、天上界って」
レイラは好奇心から天上界のことが知りたくなった。
「でも、私たちからしてみれば人間界のほうがすごい世界だと思いますよ。自分たちの力で文明を築きあげてきた世界ですから。私たちの世界は、初めから私たちが必要な物はすでにありましたし・・・
それに、私たちは人間たちのように世界を発展させることもしなかった。それよりも逆に、発展させようと考えた者はいません。ありのままを受け入れる。それが私たちの考え方でした。私たちの世界は多くの玉の力によって築かれている世界なのです」
「玉の力によって築かれている世界?」
レイラは訊いた。
「玉って言うより華と言ったほうがいいかもしれません。光の粒子が集まってできている光の華、『光華』と呼ばれている花です。その華は枯れることはありませんが、壊れると聞いたことがあります。『光華』が全て壊れると天上界も共に壊れると伝えられています」
レイラは少し考えた。
「シェインは天上界を、どう思っている?」
シェインは少し黙り込んだ。
「さあ。私にも分かりません。ただ・・・」
「ただ?」
「私は、ありのままを受け入れたくない。玉の力、『光華』に頼りたくない。そう思っています」
シェインの目には力強さがあった。
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