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「天上界の基盤となっている『光華』は知っているな」
「当たり前よ。『光華』は天上界の支えとなっている重要なモノだもの」
「だったら今、誰が『光華』を持っている?」
ジェナはキョトンとした。
「どういうこと?『光華』は天上界にあるはずよ。特別に管理されていて、誰も触れることすら出来ないモノなのに」
「それがどういうわけか、何者かの手によって一輪だけだがなくなってしまった。ちょうどオマエ達姉妹が、人間界に降りてきた日にな。そうすると、人間界にあると考えられるが」
「ちょっと待って!それって私を疑っているの!?私は持っていないわ!」
「そういうわけじゃない。ただ天上界と人間界の扉は7年に一度しか開かない。ちょうどエンジェル・スレイが降りてくるときだけだ。その扉が開いているのは人間界の時間でどのくらいだ?」
「大体10分くらいだと思う」
「その短時間にその扉を通り、天上界から『光華』を持ち、再び戻って来られると思うか?」
ジェナは龍勝の赤と青色の瞳を見つめていた。とても不思議な感じになる。まるでその瞳に心を奪われたみたいだった。そのせいなのか、龍勝の声がすぐ近くで話しているはずなのにとても遠くに聞こえた。体も動かそうとしたが動かない。
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