思い

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「ところで、その目もいろいろ使えるんだね。うらやましいよ。『人を動かす』というのが一番難しい能力だからね」  男は話題を変えた。 「龍と一体化してしまいましたから」 「龍と一体化か・・・普通ならできないだろ。神に愛された者、『ゴッド・チルドレン』でも難しいだろう」  男が興味深そうに聞いた。 「さあ、オレにだってわかりませんよ。分かっているとすれば、オレが『ゴッド・チルドレン』ではなく、二千年も生き続けているバケモノだという紛れもない真実ですよ」  龍勝は皮肉っぽく、自分のことをバケモノと言った。二千年も生きている奴がバケモノでなくて、なんと呼ぶのか。龍勝はそう受け止めていた。 「真実という言葉はたやすく言うものじゃない。真実の中にも偽りがある。そして、偽りの中にも真実が存在する」 「オレにはあなたの中に隠された真実がありそうです」  龍勝は男を見つめた。 「勘がするどいな。確かに、まだ私には君に話していない事もたくさんある。でも今はまだ知る必要はない。余計な詮索はしない方が身のためだよ」 「身のためも何も、オレは死にませんよ」 「そうだったね。二千年生きてきた君に敬意を表してひとつ教えよう。『ゴッド・チルドレン』は確かに存在するよ」  この男の不気味な雰囲気はどこから出しているのだろう。言葉一つでも十分に存在感を表している。  龍勝はフウっとため息をついた。
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