思い

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 一体どこに行ってしまったのか、ジェナがいなくなって二週間が経とうとしていた。 クリスマス、いわいる試験当日まであと二週間を切った。 「私は姉として、妹に今まで何をしてやれたのでしょうか・・・マリア様、私に答えをお教えください」  教会の祭壇の上にあるマリア像にシェインは両膝を床につけ、いまだに帰ってこない妹が帰ってくるように毎日祈り続けていた。それでも、試験が近づいてきていたので、試験内容でもある『人間について』調べることを、していなかったわけでもなかった。  図書館で医学書を読みあさって人体の仕組みを調べてみたり、心理学の本を読んで人間の行動や心理状態など、精神部分の細かいところまで調べていた。 「人間ほど複雑な生き物はレポートにまとめようにも、難しいですね」  机に大量の本や資料を見つめながらシェインはつぶやいた。 「それが人間だ。それぞれが違った考えを持ち、違う心を持っているからこそ、人間は現在まで発展し続けているんだ。それはこれからも変わらないと思うけどな」  シェインのために手伝いに来ていたレイラが言った。  レイラ達はできる範囲のことでシェインを手助けしていた。今日はまた新しい資料を手に入れた為、教会に立ち寄ったのだ。 「今日はマキさんと一緒じゃないんですね」 「日野原なら今日は用事があるって言って先に帰ってしまったけど」  レイラは資料を渡しながら言った。普段教会に来るときはマキと一緒だった。でも、一人で来るとなぜだか教会が別世界のように感じた。この場所は教会の中でも特別に作られたシェインの部屋だ。机やいす、ベッドといった生活に必要な家具類しか置いていなかった。
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