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レイラは女の子の部屋というのは、どんなものなのかは知らないが、いくらなんでもこれは殺風景だと感じた。次に来たときには、花でも持って来てやろうと勝手に決めた。
「シェイン、何やっているんだ?」
シェインは自分用のレポート用紙とは別に、もうひとつ別のレポート用紙にもレイラから受け取ったばかりの資料を書き写していた。
「これはジェナの分です。ジェナが帰ってきたときにジェナが困らないように。今、姉としてジェナにしてやれることと言えば、こうしてあげることと、祈ることだけですから」
シェインは笑いながら言ったが、それが逆にレイラには悲しく思えた。
「それじゃあ、オレ、帰るから」
いてもたってもいられなくなったレイラは、ドアノブに手をかけた。
「なあ、悲しかったら、思いっきり泣いたほうがいいと思う。ジェナが帰ってきたときにそんな顔していたら、ジェナがきっと悲しむからさ」
ドアを開けてレイラは部屋から出て行こうとした。すると後ろからシェインがレイラの腕をつかんだ。
「なっ、どうしたんだ・・・」
レイラは驚いてどうしたらいいのか分からなかった。
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