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シェインの部屋から出て行って教会のいすにレイラは座り込んだ。
しばらくしてシェインが泣き止んだので、シェインは「ありがとうございます」と言うと、「もう遅いから早く帰ったほうがいいですよ」と言って(まだ六時だったが)レイラを帰らせたのだが、レイラは帰らず、マリア像を見つめながら考えていた。
「何か考え事ですか?」
いつの間にかシスターがすぐそばで立っていた。
「シスター、ひとつ質問してもいいか?」
「なんでしょう?」
「人間とエンジェルはどこが違うんだ?」
シスターはレイラの目を見て答えた。
「それは、心が違うのですよ」
「心が違う?」
それは思ってもいない答えだった。レイラは心はエンジェルと人間とは同じだと思っていたからだ。
「ええ」
「なぜ、そう言い切れるんだ?」
「それは、エンジェル達の世界、すなわち天上界には『光華』という華が咲いています」
「前に、シェインに聞いたことがある。確か、その光華っていうのが天上界を築き上げているって」
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