思い

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『・・・オレにも正直分からんさ。赤青の瞳は龍族の証といわれているが、全てではない。神界でもオレと同じ、龍族の中でさえ赤青の瞳を持った奴などあまりいなかった。赤青の瞳を持つ者は強大な力を手にし、同時に恐れられる存在でもある。オレは神の中では闇龍神、破壊と殺戮を求めていた危険な存在だ。それに、オレはなんとなくだが、オマエに似たような所があると感じた。だから、オマエに憑くと決めた。おかげで、間接的だが蓮にも会えた。オレは蓮を殺すために生きているのだからな・・・』 「『蓮を殺す』って言ったのか?」  龍勝はその言葉に反応した。 『ああ。そう言った。オレは神界で蓮とは少しばかり因縁があるのだ。蓮は神を超えた存在。だからこそ、オレの手で殺すべきなのだ』 「ちょっと待て!レイラは?!アイツはどうなるんだ?!」  龍勝は思わず顔をあげた。 『どうなるも何も、死ぬに決まっている。神を殺せるのは神だけだ。死ぬのは必然だ。たとえ神を超えた存在であっても』 「体が人間だからか・・・?」 『人間ではないかもしれんが・・・』  小声で破邪がそう言ったが、龍勝には聞こえていなかった。 『なぜ、そこまで葉月レイラに執着する?今まで人間にそこまで執着などしなかったのになぜだ?』  破邪に指摘され、龍勝はハッとなった。以前にも上司から「あまり執着しないように気を付けろ」と指摘されたことがあった。
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