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「そうだったのか・・・知らなかったな」
龍勝が言った。
「あそこのシスターとは何度か会ったことがあるが、日野原と一緒にいるとこは見たことがないな」
「なんか意外だな。龍勝が教会に行くなんて」
レイラはわざとおおげさに驚いた。龍勝の雰囲気からして、教会に行くイメージがないが、少し想像してみると以外と行っていてもおかしくはない。でも、龍勝がお祈りをしている姿を想像すると思わず吹き出しそうになった。
「オレが祈っている姿がそんなにおもしろいか?」
「―っなんで分かったんだ!?」
「そんな顔をしていたら誰だってわかる」
龍勝にジロリと睨まれてレイラは視線を龍勝からそらした。
「ハルカ、今日シスターに言うつもりだったの。シスターには教えておきたいから。私にとってお母さんみたいな人だし」
「まあ、報告してきなよ。きっとシスターも喜んでくれるよ。はあ、マキに先越されちゃったなぁ。私の恋はいつになれば叶うのかな」
「私のほうが春が来るのが早かっただけ」
マキが笑った。レイラはその笑顔をみて、心が温かくなるのを感じた。キドがマキの笑顔に惹かれたのも分かる気がした。
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