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「なんだ、片想いか」
龍勝が言った。
「な、なんでわかったの!?」
ハルカが顔を赤くして訊いた。
「いや、さっきの会話からしてそうとしか考えられないだろ。告白するなら、早くしとけよ」
龍勝がコートを脱ぎながら言った。
「龍勝君、失恋でもしたの?」
ハルカが訊いた。
「そうだな・・・失恋と言えば失恋だが、想いを伝えることなく、自分から手放したからな」
龍勝がそう言ったとき、ちょうどチャイムが鳴ったのでそれぞれ自分の席に戻った。
―そういえば龍勝は天主のことが好きだったんだよな。二千年も片想いをし続けて、どうして『好き』と想いを伝えなかったんだろう。
レイラは自分の席に戻ってからも、そんなことを考えていた。
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